メール、ブログ、プレゼン、LINE等、、、日常生活において、文章を書く瞬間は、たくさんあります。文章を書くことが苦手な私は、毎日のように、文章を書く中で、「思ったことを、うまく伝えられない」というもどかしさを感じる時がよくあります。
そんな悩みを「解決できるのかもしれない」と思い、この本を手に取りました。
伝えたいことを、文章にするには?
わかりやすい文章には、リズムが不可欠です。文章を書く上で、ポイントとなるリズムについて説明します。
視覚のリズム
例えば、下記の全く同じ2つの文章、どちらが読みやすいでしょうか。
①「ほんじつのよるごはんはたいふうかれーをつくりました。きたくしたらあたためてからたべてください」
②「本日の夜ご飯は、タイ風カレーを作りました。帰宅したら、温めてから食べてください。」
句読点や改行があり、漢字ひらがなのバランスが良い②の方が、読みやすいはずです。
このように、視覚的なリズムを心がけることで、読みやすい文章になります。
聴覚のリズム
聴覚のリズムとは、言葉の通り、聞いた時のリズムのことです。
これを確かめるには、書いた文章を音読すると良いです。音読する際の、ポイントは2点あります。
1点目は、句読点の位置確認です。音読をしながら、句読点の位置をチェックしていきます。なぜなら、句読点の位置によっては、文章の意味が変わるからです。
「話せば早いのになぁ‥」
文章が苦手な私は、LINEやメールをしている際も、書くのが面倒で電話する、適当な返事をする、なんて事がよくあります。
どうして、話せば伝えられるのに、文章になると、うまく伝えられないのでしょうか?
それは「頭の中でぐるぐる巡る何か」を理解できていないからです。
「発言できなければ、考えていない事と同じ」という人がいますが、書くことでも同じ事が言えると、思います。書くことができなければ、考えていないのと同じという事です。
いや、正確には理解していない、というべきかもしれません。
「頭の中を巡るぐるぐる」を理解できれば、文章をスラスラと、書いていけるのではないでしょうか。
とは言っても「ぐるぐる」とやらを理解するには、どうしたら良いのでしょうか?
書いて、可視化すれば良いのです。メモでも、スマホでも何でも良いです。分からないことを、理解するために書く必要があります。これは、頭の中を翻訳する作業とも言えるでしょう。
頭の中を可視化できれば、文章を書く第一歩となります。さらに、その文章をわかりやすく相手に伝えるためには、読みやすい文章にする必要があります。
文章のリズム
読みやすい文章には、リズム感があります。ここで言うリズム感とは、視覚と聴覚のリズムの2種類あります。まず、視覚的なリズムとは、句読点や改行の数、漢字ひらがなのバランス等です。
「今日から揚げを作ります。」
このままだと、「今日から、から揚げを作るのか」、「今日唐揚げを作るのか」曖昧な文章になっています。正しく伝えるために、句読点のチェックが必要です。
2点目は言葉の重複がないかチェックすることです。例えば下記の文章、、、
「とてもいい天気なので、とても気持ちが良いです」」
同じ言葉が、重複すると鬱陶しいし、稚拙な感じになります。
「とてもいい天気なので、すこぶる気持ちが良いです」というように、少しだけ言葉を変えると、読んでいて、疲れません。ここまで説明した2点は、文章に書いた時点では、気づかない事もあるため、音読することが有効となります。
面白い文章とは??
ここまで読んで、
「文章のリズムなんかよりも、Twitterで何万回も「いいね」されるような、面白い文章を書きたいんだけど」
と思った方もいるかもしれません。なので、面白い文章の構成について説明しようと思います。面白い文章は、客観→主観→客観の順で構成されています。映画で考えると、分かりやすいです。
映画は、最初に風景や建物等で、時代や場所、背景等、客観的な描写していきます。部活動をテーマにしていれば、学校の背景が映りますし、SFであればUFOや宇宙が映るでしょう。次に主人公の景色を移していきます。恋愛ものなら、主人公が好きな人にアプローチしていくシーンを描き、アクションであれば、主人公の戦闘シーンを主観的に映していくでしょう。エンディングでは、ストーリー後の主人公や、取り巻きの様子を客観的に描いていきます。
主人公を客観的に見て始まり、主観に入り、最後に客観的にみて終わるといった形です。文章でも同じように、背景を伝え(客観)、自分の意見や考えを伝え(主観)、事実を伝える(客観)というような流れになります。この中に面白い文章と、そうでない文章の分岐点があります。それは主観となる部分です。
面白い文章は論理的で、主観がはっきりしています。曖昧な表現はしません。主観を語る上で、そう考えた理由と、客観的な事実も明確に書いてあります。例えばラーメン屋のレビューで
「このラーメンは辛いものが好きな人には、ちょうど良い辛さかもしれない。」
「このラーメンは、ラー油が普通の店舗の3倍入っているので、舌が痺れるほど辛い。ラー油をこんな大量に入っていても、美味しいラーメン屋は他にないので、辛いラーメン好きは、一度食べるべきだ」
このレビューを見て、どちらが参考になるでしょう。主観、理由、客観的事実の入った後者のレビューのほうが、この店に行くか、行かないかを、決められるのではないでしょうか。
目を引く文章というのは、論理的で、必ず主観・理由・客観的事実が述べられています。このうち一つでも欠けると論理的な文章にはなりません。
×主観がない文章
「ここのラーメン屋は、通常の3倍のラー油を使っているラーメンが、有名である。」
→主観がない文章は、結局何が言いたいのか分からないのです。通常のラーメンあることを伝えたいのか、ラーメン屋が有名なことを伝えたいのか、不明になっています。
×理由がない文章
「ここのラーメン屋は、通常の3倍のラー油を使っている。このラーメンは一度食べに来るべきだ。」
→この文章を読むと、このラーメン屋に、行かなければならない理由がわかりません。私ならラー油後からかければいいのでは?と思います。理由がない文章は、信用性が低く、説得されている気分になります。
誰でも、無理やり説得された事は、指示されても嫌々行います。でも、納得できる理由があれば、やる気が起きますよね。人は、説得に対しては、他人事ととらえ、納得は自分事と捉えます。
×客観的な事実がない文章
「ここのラーメンは辛いけど、美味しいから一度行くべきだ。」
→有名なあの人の言葉を借りると、「それは、あなたの感想ですよね」って感じです。
客観的な事実がなければ、美味しいと言われても、信憑性が全くありません。
誰に向けて書けばよいのか?
相手に向けて伝えるのはもちろんですが、文章を書くときは、『特定のあの人』又は『10年前の自分』に伝えるつもりで書くと良いです。
『特定のあの人』に向けて書く
特定のあの人とは、、、
今自分が一番伝えたい人です。「○○さん」といった固有名詞を上げても構いません。むしろその方が良いです。
『10年前の自分』に向けて書く
今の自分と10年前の自分では、考えていることも感じていることも、意識していることも異なるはずです。10年前の自分なら、どのようなことを知りたいか、考えて文章にします。
ここでのポイントとして、文章を伝える際は、わかりやすく伝える必要があります。どんな高度な内容でも、理解度が高ければそれができるはずです。分かりやすい単語や、言い回しができない場合は、理解度の上限を100とすると、60しか理解できていないかもしれません。
もし100のうち60しか、理解できていないのであれば、自分が知っている60の範囲で、文章を書かなければなりません。知らないことを書くということは、噓を書いているのと同じです。濃い文章を書きたければ、理解度をMAXに近づける努力が必要です。
まとめ
この本を読んで、文章を書くということは、理解度を確かめる行為だと感じました。理解度を高めれば高めるほど、分かりやすく、人を惹きつける文章になるという事に気付けました。書いて伝えることが苦手‥という方はぜひ、読んでみてください。
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